《ゴールドレイン》2019年、
金箔と銀箔の粒子

《海庭》2021年、
水、砂、鏡、サイズ可変

《海庭》2021年、
水、砂、鏡、サイズ可変

《群像のポートレート(あなたはどこに?) 》〈レインボーペインティング〉2021年、
油彩、カンバス、294 x 214 cm

《善悪の荒野》(部分)2017年、
陶器、鉄、木、ガラス、灰、他、240 x 873 x 300 cm

《黄色い花畑のドローイング》(部分)2021年、
真鍮に油彩、グワッシュ、グリースペンシル、305 × 600cm

右上:《B.U.R.I.A.L.》2021年、カンヴァスにガラス、グリザイユ、泥、エナメル、301 × 218cm
右下:《この世界のすべて》2021年、錫、サイズ可変

左上:《スケッチ #シャイン(イン・ザ・フォレスト・イン・スプリング)》(三枚組/center)2021年、真鍮にワックスオイルパステル、30 × 47.5cm
右下:スケッチのための模型 #去っては来て、来ては去って2021年、真鍮、木、100.1 × 50 × 50 cm

《海庭》2021年、
水、砂、鏡、サイズ可変

《スケッチ #二重の花瓶》2021年、
真鍮に油彩、ワックスオイルパステル、160.4 × 240.2cm

左:《群像のポートレート(あなたはどこに?)》〈レインボーペインティング〉2021年、油彩、カンバス、294 x 214 cm
右:《群像のポートレート(レインボー)》〈レインボーペインティング〉2021年、油彩、291.5 × 212cm

《この世界のすべて》2021年、
錫、サイズ可変

《06.20.2021.16.55 # 13/36》〈小さな共通項(36人で同時に見上げた空)〉2021年、
インクジェット・プリント、26.2 × 38.8cm

展示風景

展覧会概要

東京都現代美術館では、現在、国際的評価が高まっている現代アーティスト、EUGENE STUDIO(ユージーン・スタジオ)の国内美術館における初個展を開催いたします。

ユージーン・スタジオは寒川裕人(Eugene Kangawa、1989年アメリカ生まれ)による日本を拠点とするアーティストスタジオで、平成生まれの作家としては東京都現代美術館初となる個展です。

「89+」展(2014年、サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン)における作品提供や、個展「THE EUGENE Studio 1/2 Century later」(2017年、資生堂ギャラリー)、「資生堂ギャラリー100周年記念展」(2018‒2019年)や「de-sport」展(2020年、金沢21世紀美術館)への参加など、国内外の作品発表において高い評価を得ています。さらに、アメリカを代表する現代SF小説家ケン・リュウとの共同制作、完全な暗闇で能のインスタレーション「漆黒能」(2019年、国立新美術館)、2021年よりアメリカで発表された2つの短編映画は、ヒューストン国際映画祭、ブルックリン国際映画祭、Urbanfilm festivals、パンアフリカン映画祭、Amdocs、ロードアイランド国際映画祭など、アカデミー賞®やBAFTA公認を含む多数の国際映画祭で受賞、オフィシャルセレクションに選出されるなど、自由な発想の幅広い活躍に国際的な注目が集まっています。

アトリエの風景、作家インタビュー動画(約4分、東京都現代美術館 公式Youtube 2021年7月)

基本情報

ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow

会期 2021年11月20日(土)-2022年2月23日(水・祝)
休館日 月曜日 (2022年1月10日、2月21日は開館 )、年末年始 (12月28日-1月1日 )、1月11日
開館時間 10:00-18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)
観覧料 一般 1,300円/大学生・専門学校生・65歳以上 900円/中高生 500円/小学生以下無料
チケット 予約優先チケット(日付指定券)をこちらからご購入いただけます。 予約優先チケット *会期中は美術館チケット販売窓口で当日券のご購入も可能です。

*同時期開催展とのセット券をご希望の方はこちらをご覧ください。
(同時期開催「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」、「Viva Video! 久保田成子」展)

*東京都現代美術館では、新型コロナウイルスの感染予防・拡散防止のため、展覧会のご観覧にあたり各時間に定員を設けた予約優先チケット(日時指定券、日付指定券)を導入しております。
また、当日、美術館チケット売場でチケットをお買い求めいただき、予約なしでの観覧も可能です。ただし、館内の混雑状況によっては、ご入場をお待ちいただく場合もございますので、よりスムーズに展覧会をご覧いただくために、ご来館前に予約優先チケットをご購入ください。
会 場 東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
主催等 主催 : 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
協賛 : 株式会社ゴールドウイン、株式会社資生堂
協力 : キヤノンマーケティングジャパン株式会社、PGI、センティード株式会社、株式会社
MagnaRecta、スタンレー電気株式会社
ウェブサイト https://www.mot-art-museum.jp/ 最新の入館情報は美術館ホームページでご確認ください。
アクセス 最寄駅 東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分
都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口より徒歩13分
東京メトロ東西線「木場駅」3番出口より徒歩15分、または都営バスで「東京都現代美術館前」下車
都営地下鉄新宿線「菊川駅」A4番出口より徒歩15分、または都営バスで「東京都現代美術館前」下車
東京駅からの経路 東京都現代美術館までのアクセス検索 「木場」「菊川」駅のほかにも、「錦糸町」「東京」「とうきょうスカイツリー」「押上」「秋葉原」「新橋」「葛西」「豊洲」駅などから都営バスでもお越しになれます。
お車でお越しのお客様 首都高速9号深川線「木場」出口から約5分「枝川」出口から約10分です。
駐車場について 台数:約90台 / 身障者優先車両専用スペースあり
料金:1時間300円 (以降30分ごとに150円)
車高制限:有り(2.1m以下の車両に限る)
車イスをご利用のお客さま 車イスでお越しのお客様は、以下のPDFをご覧ください。 PDF 視覚障害者向けおすすめルート(写真つき) PDF ことばの道案内 東京メトロ半蔵門線 清澄白河駅と東京都現代美術館の往復路をことばでご案内しています。
東京メトロ半蔵門線 清澄白河駅から東京都現代美術館へ
東京都現代美術館から東京メトロ半蔵門線 清澄白河駅へ
東京都現代美術館 〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
TEL:03-5245-4111(代表)
またはハローダイヤル(9:00-20:00 年中無休)
050-5541-8600

公式SNS
 Twitter
 YouTube

※開催内容は、都合により変更になる場合がございます。予めご了承ください。

《海庭》2021年、
水、砂、鏡、サイズ可変

作家略歴 EUGENE STUDIO(ユージーン・スタジオ)

寒川裕人(Eugene Kangawa、1989年アメリカ生まれ)の日本を拠点とするアーティストスタジオ。個展「THE EUGENE Studio 1/2 Century later」(2017年、資生堂ギャラリー)や、完全な暗闇で執り行われる能のインスタレーション「漆黒能」(2019年、国立新美術館、シテ方・大島輝久)を開催。その他、「89+」展(2014年、サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン)への作品提供、「資生堂ギャラリー100周年記念展」(2018-2019年)におけるイギリスの建築家集団アッセンブルとの協働、「de-sport」展(2020年、金沢21世紀美術館)への参加、アメリカを代表する現代SF小説家ケン・リュウとの共同制作『ALTER』(2017年)など。現在、短編映画2本(2021年、アメリカ、日本)が、ヒューストン国際映画祭で最高賞受賞、その他Urbanfilm festivals,ブルックリン国際映画祭、パンアフリカン映画祭、ロードアイランド国際映画祭、Amdocs等のアカデミー賞®公認国際映画祭を含む10以上の国際映画祭で受賞やオフィシャルセレクションへの選出が続いている。

ウェブサイト:https://the-eugene-studio.com
左:《海庭》2021年、水、砂、鏡、サイズ可変
右:〈ホワイトペインティング〉シリーズ、2017年、カンヴァス、160 x 160cm
〈レインボーペイティング〉シリーズ、2021年、キャンバスに油彩
《善悪の荒野》(左:全体 右:部分)2017年、陶器、鉄、木、ガラス、灰、他、240 x 873 x 300 cm
左:《あるスポーツ史家の部屋と夢より#連弾》2014年、スチール、木、油彩/木、真鍮、ガラス installation view at 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
右:スタジオでの制作風景 2021年、artist’s atelier

『ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow』公式図録

公式図録 表紙2種

『ユージーン・スタジオ 新しい海 展』公式図録。 平成生まれの作家としては東京都現代美術館で初の個展を開催する、気鋭の現代アーティスト・寒川裕人によるユージーン・スタジオ。代表作<ホワイトペインティング>シリーズ(2017年-)や《善悪の荒野》(2017年)から、大型の新作インスタレーション《海庭》などの最新作に至るまで、活動に通底する視点や発想、哲学を紐解きます。

充実のアーティストブックでは、生物学者・福岡伸一氏との対談や、『オクトーバー誌』や『フリーズ誌』に寄稿するアメリカの美術批評家デイヴィッド・ギアーズ氏の論考などを通して、ジャンルを超えた多面的な作品世界の深みをさらに掘り下げます。

発行年: 2022年1月中旬 / 発行元: torch press / サイズ: B5変型
仕 様: 上製本/220頁 ※表紙は2種からお選びください。
対談: 福岡伸一(生物学者)×寒川裕人
論考: デイヴィッド・ギアーズ(美術評論家)、丹羽晴美(東京都現代美術館学芸員)
言語: 日本語・英語

美術館内ミュージアムショップ(NADiff)、または以下からご購入いただけます。

関連書籍

美術手帖 展覧会公式冊子の発売

美術手帖と東京都現代美術館による展覧会公式冊子

展覧会公式冊子として制作された、本展やユージーン・スタジオへの理解を深めるためのガイドブックを発売します。作品制作現場の様子や寒川裕人のロングインタビューに加え、アスリートとアーティストの立場からアートとスポーツの共通性について語り合った為末大さんとの対談、 2019年の《漆黒能》(国立新美術館)発表時に行った建築家・田根剛さんとの対談も所収。
美術館内ミュージアムショップ(NADiff)で購入いただけます。
東京都現代美術館(監修)、『美術手帖』編集部(編集)1,650 円(税込)・HASHIBI LLC. 発行 ※本展公式図録は1月中旬の刊行を予定。11月20日の会期開始と同時に予約販売を開始します。
美術館内ミュージアムショップ(NADiff)、または以下からご予約、ご購入いただけます。

〈ホワイトペインティング〉より、2017年、カンバス

〈ホワイトペインティング〉より ロサンゼルスでの風景、2017年

本展のみどころ 世界のありように迫る「新しい海」

国内公立美術館で初の大規模個展となる本展覧会は、さまざまなことが起こり続ける現実の中で、私たちは何を信じることができ、他者と何を共有できる/できないのか等の根源的な問題について、展示室を巡りながら思い起こすように構成されます。

展示は真っ白なカンバスに人々が接吻して“愛”や“信仰”という精神的支柱を出現させた代表作〈ホワイトペインティング〉シリーズ(2017-)から始まり、本展邦題タイトル「新しい海」を思わせる最新作《海庭》(2021)へと展開します。《海庭》は、地下2階企画展示室のアトリウム空間を一変させる大規模なインスタレーションで、朝から夕方までの陽光を受け刻々と変化する作品です。そしてその先に、英題タイトルに「After the rainbow」を象徴する最新作〈レインボーペインティング〉シリーズへと続きます。油彩の淡い色のレインボーは、よくみると数万個の点描によって描かれており、作家はひとつひとつの点を人に見立て《群像》、《人の世》、《あなたはどこに?》というタイトルを付しています。

左上:(奥)《私にはすべては光り輝いて映る》より、2021年、真鍮、油彩
右上:制作風景、2021年
左下:《Our dreams》2021年、Super 35mm digital black and white film, 1ch, 4分30秒
右下:《私は存在するだけで光と影がある》より、2021年、紙、染料

美しい翠色の平面作品は、太陽の下に作品を曝し、陽の光と作品自体の影によって現れたグラデーションから成るもので、〈私は存在するだけで光と影がある〉(2021)というタイトルが示すとおり、私たちは存在すること自体でポジティヴ/ネガティヴの両側面を持たざるを得ない存在であることを改めて想起させます。2019年にパリで発表され反響を呼び、本邦初展示となるインスタレーション《ゴールドレイン》では、天から降り注ぐ金の雨に目を凝らすと、綿々と連なる不可逆的な時間に寄り添う生命、その生命の誕生と存在に不可欠な重力など、当たり前のようにある日常とその成り立ちを再考することになるでしょう。

そのほか、作家の学部時代の卒業制作のひとつで、スポーツの高揚や共感のメカニズムに迫った《あるスポーツ史家の部屋と夢より #連弾》(2014)や、『2001年宇宙の旅』のエンディングセットを風化させ、物質とテクノロジーの終焉に迫った《善悪の荒野》(2017)、等、これまでの代表作に加え、発想の深度を探りながら展開させた数々の新作を一堂に会した展示となります。

そして本展の特別な体験として、新作〈想像〉が展示されます。*
〈想像〉《#1 man》は闇黒の空間にひとの彫像が置かれている作品で、鑑賞者が暗闇でいかに目を凝らしても、その実体をみることはできません。実はこの彫像は完全な暗闇のなかで、作家と彫像家によって約3ヶ月の期間にわたって制作されたもので、作家自身も一度もみることなく彫像を完成させ、陳列に携わる者達も誰一人として実体をみることなく展示しました。

(*この像は、展示中盤の部屋に実際に展示されており、時間予約制の整理券で1人ずつ、対峙、体験することが可能です。〈想像〉は安全上、時間入れ替え制の整理券でご入室いただいております。また、キャンセル等を考慮し、整理券は当日ご来場の方に展示室内の〈想像〉の作品入口付近のみで配布しております。正午前後に当日分の整理券配布が終了する日もございますが、ご入室人数に限りがございますことをご理解、ご協力ください。)

サイズや素材等の情報も公開されておらず、この先も誰も実体をみることがない作品です。確かに存在するが、決してみることができず、みる者の数だけ《想像》の姿が増殖し続けていく作品です。作家が「この作品は、本展の裏側を一手に担う」と語っているように、本展覧会を根底で支えているものは、私たちの想像の振幅と深度だといえるでしょう。

ここでご紹介した作品は全体の一部ですが、本展覧会のユージーン・スタジオの多彩な作品表現により私たちの意識も多面的な刺激を受け、これまでにない気づきへと導かれることになるでしょう。生命誕生の起源が海であるなら、本展覧会が新たな発想の糧となり、これからの世界のありようへと影響を及ぼす私たちの意識は「新しい海」と言えるのではないでしょうか。国際的に期待が高まる若手現代作家の全貌にどこよりも早く触れることのできる本展覧会をぜひご高覧ください。

展覧会グッズ

展覧会グッズ

展覧会グッズ

展覧会グッズ

本展では、資生堂パーラーやゴールドウイン、大峰酒造などと、出品作品にちなみ特別にコラボレーションしたグッズを販売します。チョコレートや日本酒などのシーズングッズから、太陽光で色が変わるTシャツ、トートバッグやポストカードのほか、6つの論考が掲載された2017年の特装版大型図録の限定販売などを予定しています。
“After the rainbow”の世界観を日常のなかに持ち帰って楽しんでいただける品々です。ミュージアムショップ「NADiff contemporary」にて、2021年11月20日〜2022年2月23日の展覧会会期中限定で販売。

展覧会グッズ ※一部オンラインでもご購入いただけます。(NADiffオンラインサイトへ移動)

東京都現代美術館

〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
TEL:03-5245-4111(代表)
またはハローダイヤル(9:00-20:00 年中無休)
050-5541-8600

公式SNS
 Twitter
 YouTube